2008年3月28日金曜日

タイの若者に流行する性転換の危うさ


タイの若者に流行する性転換の危うさ

本日版のタイの英字紙二紙に同じニュースを取り上げた記事がでましたので、ご参考までに両紙を要約して紹介させてください。若年層に広がりつつある睾丸摘出手術に関する警告です。
(Bangkok Post/The Nation/March 28, 2008)

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医学専門家たちは最近の男性の若者に対して行われている性転換手術は危険であり、法律違反でもあると警告している。今回の警告の発端は、ゲイの活動家として知られるナティー氏がタイ医療審議会に提出した要望書です。その中で、チェンマイの16歳の少年が睾丸を除去し、その14歳と15歳の友人も同じ手術を希望していること、彼らの願いは睾丸を除去することによって容貌や体つきが女性化するからだ、という。

ナティー氏自身も同じ経験をして後悔している立場から言う。
「私も16歳のとき(睾丸除去のあとで)性転換手術すれば完全な女性になれると思っていました。しかし成人してみると、自分は今の体で満足しているただのゲイ男性だと気が付きました。気になるのは、最近の若者たちが次々とこのような手術を希望していることです。また、性転換手術を受けるだけのお金がない彼らは、とりあえず睾丸除去しておこうというわけです。問題なのは、こんな風潮が続けばそのうちの何人かはこれが本当に求めていたものではなかったと気づくことです。その時にはもうすでに遅いのです。肉体的だけでなく精神的にも障害を負って生きていくことになるのです。」

タイ厚生省のスパチャイ氏の見解は、「少年の睾丸を除去しても性的な容貌が変わるという医学的、科学的根拠はない。きれいになる代わりに、睾丸はテストステトロンいう男性ホルモンを分泌している器官を除去するわけだから副作用があると同時に、一生涯ホルモン剤を服用し続けなければならなくなる。女性になるのは容易なことではなく、両親に相談し、精神科医師の長期の診断と指導を受けたのち、本当に自分は女性になり人生を完全に変えたいのか熟慮のうえ決断しなければならない。」

十代男性の性転換手術はバンコク、チェンマイ、プーケットなどで行われているが、これらの医師の中には法的な要件を満たさないクリニックで行っている医師もいる。ネットの広告で宣伝するのが一般的で、睾丸除去だけの値段は4000バーツから5000バーツ。スパチャイ氏によれば、これらの手術はいい加減なものが多いとのこと。

医療審議会の事務局長によれば、18歳以下の少年に性転換手術を行うのは法律違反であり、違反した医師に対しては告訴の措置をとるとのことである。

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【補足】
●タイで外国人患者のSRSを行っている有名医師は、WPATH(=HBIGDA)のガイドラインを基準としており、疑わしい患者はうけつけないはずです。記事中の5000バーツとは、おそらくローカル専門の値段でしょう。ちなみに、PAIの(別途に行う場合の)睾丸摘出手術価格は、1泊入院費込みでUS$2,100です。SRSと同時行う場合には別途の費用は発生しません。

●MTF患者のなかには睾丸除去を早期に希望する方もいるようです。その我慢できない気持ちは理解できますが、SRSを希望している場合には我慢してSRSまで待った方がよい結果につながります。陰嚢の皮膚は新膣形成に大事な皮弁として使用する部分だからで、広い面積の皮膚があればそれだけ手術がやりやすくなります。
睾丸摘出手術により陰嚢皮膚が萎縮している場合は、別の手術方法を考える必要が生じるかもしれません。すでに済ませてしまっている場合には、その旨を必ず事前に医師に伝えてください。手術当日になってあわてないためにも、事前に相談しておくことが大切です。

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